「日本の気候」について学習のポイント
日本の地理を学ぶ上で、避けて通れないのが「気候」です。日本は世界平均の約1.5倍にあたる年平均降水量:約1,700mmという雨の多い国ですが、その一方で地域による気候の差が非常に激しい国でもあります 。
「なぜその地域は、その気温・降水量になるのか」という原因(理由)が記述問題や雨温図の判別問題として形を変えて何度も出題されます 。今回は覚えるべきポイントと、、グラフの読み取り方をわかりやすく解説します。
🧭 ポイント1:気候を決定づける4つの「海流」と「季節風」
日本の気候に決定的な影響を与えるのは、日本周辺を流れる4つの海流と、夏・冬で向きが変わる季節風の組み合わせです 。
① 4つの海流(暖流と寒流)
日本周辺には、あたたかい海流(暖流)とつめたい海流(寒流)が2本ずつ流れています 。
- 暖流(日本を温める海流)
- 日本海流(黒潮):太平洋側を北上する 。
- 対馬海流:日本海側を流れる 。
- 寒流(日本を冷やす海流)
- 千島海流(親潮):太平洋側を南下する 。
- リマン海流:日本海側を南下する 。
② 季節風(夏と冬の風向き)
日本には季節によって吹く方角がガラリと変わる風(季節風)が吹きます 。これが各地域の降水量に直結します 。
- 夏の季節風:南東(太平洋側)から吹きつける。あたたかく、湿っている 。
- 冬の季節風:北西(日本海側)から吹きつける。つめたく、湿っている 。
📈 ポイント2:【基礎】「雨温図」の正しい見方
入試問題で絶対に落とせないのが「雨温図(うおんず)」の基本構造です 。
【図の配置イメージ:雨温図の基本構造】
(図の作成・再現用指示)
・左側の縦軸:気温(℃)/ 右側の縦軸:降水量(mm)
・折れ線グラフ(赤):各月の平均気温を表す
・棒グラフ(青):各月の降水量を表す
・横軸(下部):1月から12月までの月
💡 講師が教える「雨温図」を見分ける順序
- 気温の折れ線を見る:山型(中央が高く両端が低い)なら北半球(日本など)、谷型(中央が低く両端が高い)なら南半球です 。
- 冬(1月・12月)の降水量(棒グラフ)を見る:ここが極端に高ければ「日本海側の気候」と一発で判断できます 。
🗺️ ポイント3:入試に出る「4つの特殊な気候地域」と原因
日本列島の中央には高い山地・山脈が連なっているため、季節風が遮られ、地域ごとに全く異なる特徴が生まれます 。特に記述問題で狙われる4つの事実を整理しましょう 。
1. 日本海側の気候(豪雪地帯)
- 特徴:冬(12月〜2月)の降水量が非常に多い 。
- なぜ?(記述対策):「冬に北西から吹く湿った季節風が、日本海を渡る際に水分を蓄え、日本の山地・山脈にぶつかって上昇し、雪を降らせるため」 。
2. 太平洋側の気候
- 特徴:夏(6月〜8月)の降水量が多く、冬は晴れて乾燥する(北風が吹く) 。
- なぜ?(記述対策):「夏に南東から吹く湿った季節風の影響で雨が多くなる一方、冬の季節風は中央の山脈で水分を奪われるため、乾燥した風となって吹きつけるから」 。
3. 瀬戸内(せとうち)の気候
- 特徴:一年を通じて雨が非常に少ない 。
- なぜ?(記述対策):「北側(中国山地)と南側(四国山地)の双方を高い山地に挟まれており、夏・冬どちらの湿った季節風も遮られてしまうため」 。
- 人々の工夫:昔から水不足に備え、多くの「ため池」が作られて利用されています 。
4. 東北地方の太平洋側(「やませ」による冷害)
- 特徴:夏(特に6月〜8月)になっても気温があまり上がらない年がある 。
- なぜ?(記述対策):「夏に、寒流である千島海流(親潮)の上を渡ってくる、冷たく湿った北東の風(=やませ)が吹きつけるため」 。これが原因で、作物が育たなくなる「冷害」が発生します 。
🌊 ポイント4:【発展】「水に恵まれた国」のウラ側にある事実
最後に、一歩差がつくデータを紹介します。日本の年間降水量は約1,700mm(世界平均の約1.5倍)ですが、実は毎年のように水不足や断水のニュースが流れます 。
【図の配置イメージ:人口1人あたりの年間降水量の各国比較(棒グラフ)】
(グラフデータ再現用)
・カナダ:141,814 ㎥
・アメリカ:21,362 ㎥
・フランス:7,309 ㎥
・日本:4,969 ㎥
・サウジアラビア:3,701 ㎥
・世界平均:20,314 ㎥
💧 なぜ日本は水不足になりやすいのか?
理由は大きく2つあります 。
- 人口が多い:1人あたりに換算すると、なんと砂漠の国であるサウジアラビアを少し上回る程度の量しかありません 。
- 川が短く、流れが速い:国土が狭く険しい山地が多いため、降った雨の大部分は一気に海へ流れ出てしまいます 。人間が実際に利用できているのは、降った雨全体のわずか約10%(残りの多くは海へ流出、または蒸発)です 。
💡 対策の事実: 水を蓄えるために川の上流に「ダム」を作ったり、雨水を蓄える力を持つ「森林」を増やす植林活動が行われています 。
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